さくら色 〜好きです、先輩〜

「…泣くなよ」


先輩の右手が私の左頬を覆い、親指で涙を拭った。


「せ、先輩…」


先輩の顔が息が掛かりそうなほど近くにある。

緊張し過ぎて息が出来ない…


「あ…あの」


先輩の真っ直ぐな瞳に見つめられて頭がぼーっとしてくる。

まだ触れている左頬がジンジンと熱い。




「好きだ」




これは…夢?


今、好きだって聞こえた。




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