さくら色 〜好きです、先輩〜
私はまた自分の都合がいいように解釈してるの?
「えっと…その…」
ーーーーーーバタバタバタ、ガチャ!
「大丈夫!?」
「若菜先輩!」
勢いよくドアを開けて飛び込んで来たのは若菜先輩だった。
「手伝おうと思って昇降口で靴履き替えてたら大きな音したから。二人とも怪我は?」
若菜先輩は落ちて散乱したダンボールを端にどかしながら私と先輩の目の前でしゃがんだ。
「「……」」
「葵ちゃん!?顔赤いよ?頭打ったの!?」
「い、いえ。これはその…だ、大丈夫です」
若菜先輩は「良かった」と言って安堵の表情を浮かべ、私と先輩の顔を交互に見た。
「私、もしかしてお邪魔だったり…?」
「はぁ…」
先輩の溜息の後、数秒の沈黙が続いた。