さくら色 〜好きです、先輩〜
「でも誰かに見られたら…」
「この辺からだったらうちの生徒は少ないだろうし、暗いから誰だかわかんねぇよ。それに俺が我慢出来ない」
「我慢?」
「やっと手に入れたんだ…これぐらいいいだろ?」
繋いでる手にギュッと力が入ったのがわかった。
先輩は私を幸せにする天才だ。
先輩の温もりが私の寂しさを一気に吹き飛ばしてくれた。
私はこの手があれば大丈夫。
昨日まで人一人分あいてた私達の距離は、今はもうなかった。
「秘密って言ったけど恭介には話そうと思ってる」
「恭介に?どうして…?」
私の心臓は恭介の名前が出た途端、跳ね上がった。
「ライバルだから。あいつには秘密に出来ない」