さくら色 〜好きです、先輩〜

「辛かったよな…一人で…ごめん、本当にごめんな」


矢野さんの目から大粒の涙が零れた。

きっと矢野さんの想いも、他の部員の想いも先輩に伝わってる。

だって顔を上げた先輩の表情にこれっぽっちの悲しみもなかったから…


「俺インターハイは出れないんだ。でも選手権では必ずレギュラーになって国立の決勝の舞台に立つから…だから矢野も負けんなよ!」

「…ああ!」


二人は思いっきりハイタッチを交わした。

辺りにパチーンッ!と軽快な音が鳴り響く。



先輩はもう大丈夫。

本当に本当に先輩にはたくさんの素敵な仲間がいて、そして愛されてる。

前の学校の仲間ともいつかこうしてハイタッチ出来る日が来ると思う。



「君が葵ちゃん?」


すると突然、矢野さんは私の前まで来て口の端を上げて微笑んだ。

私はそんな矢野さんに、首を傾げる。


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