さくら色 〜好きです、先輩〜
「桜井先輩!試合はどうなってますか?」
応援席に着くと、恭介は真っ先に先輩に声を掛けた。
「恭介…お前大丈夫なのか?」
「取り敢えずは大丈夫です」
先輩は包帯が巻かれた恭介の足首を見て、一瞬顔をしかめた。
多分、先輩は気付いたんだと思う。
捻挫にしては大袈裟過ぎる処置だから。
「そっか。…試合は0-1で負けてる」
うちのチームの点数ボードには、無情にも0と書かれている。
さっきの歓声は相手が決めた時のだったんだ…
「小野田も柏木も何回も倒されて怪我はしてないけど、異常に体力を消耗してる」
「クソッ!!こんなのありかよ…」
恭介は悔しさのあまり客席の柵を思いっきり叩いた。
柵はその衝撃で鈍い音を発しながら小刻みに揺れている。