さくら色 〜好きです、先輩〜
「先生。必ず試合が終わったら連れて行きますから、今は恭介の思う通りにさせてあげてくれませんか?」
「俺からもお願いします!」
先生は目を瞑り、何も言わない。
暫しの沈黙が流れた。
「…今やってる試合が終わったらすぐ行くと約束出来るかね?」
恭介は「約束します」と先生の目を見つめたまま言った。
その後、先生は取り敢えずの応急処置を施してくれた。
私達は先生にお礼を言って、医務室を後にした。
恭介に肩を貸しながら長い廊下と階段をゆっくりと歩く。
女の私には恭介を支えきれず、何度も転びそうになった。
たまに休憩をいれながら、普通に歩けば5分で行けるであろう道程を、10分以上掛けて移動した。
応援席に着いた頃には残りの試合時間が30分を切っていた。