さくら色 〜好きです、先輩〜
「…いい恋、出来るといいね」
里美は急に真面目な顔をして空を見上げた。
先輩が卒業してから私は恋をしていない。
かっこいいと思う人もいたし告白をされたこともあったけど、どの人も心が動かなかった。
ずっと先輩が忘れられなかった。
登下校中・校庭・体育館・廊下…下駄箱。
学校中で先輩の姿を探してしまった。
先輩がいなくなった学校ってこんなにも色褪せていたっけ…
でも里美やほかの友達がいたから中学校生活は毎日楽しかった。
まだ思い出すと辛いけど…
いつか素敵な初恋だったって笑える日が来るのかな…