【 側にいるよと笑うから 】
昨日もその前もその前の前も、そして今日も。わたしは走る。購買の限定品をめがけて、必死に走る。
いつからか購買のおばちゃんには顔を覚えてもらい、おまけとかもらえる。
しかし、今日はダッシュする直前に杉本に足を引っかけられ、スタートが遅れた。
自分から頼んでおいて、どんなサディストだ。
「というわけです。」
「ふーん。俺のせいで買えなかったと。」
屋上で正座をする女子高生とそれを見下す男子高生。
「季節のフルーツクレープはこの間食べたじゃん。しかも甘いの嫌いとか言って、投げつけてきたし。」
「はい。罰ゲーム決定〜」
わたしの話なんて聞いちゃいないよ。
ここは年貢の納めどきってことで、腹をくくるしかなさそうだ。
至極愉快そうな杉本は、悪い笑みをつくっていた。
「分かったよ!!どんな罰ゲームでも受けてやるよ!!」