【 側にいるよと笑うから 】
フルーツサンドをぽいっとわたしに向かって投げてくる。
なんなんだまったく。
食べちゃうぞ!!フルーツサンドとか、実は大好物なんだからな。
「我慢できないからいただきま――す!!!うわっ!!!美味しすぎる!!!!」
「うるせぇ。黙って食え。」
幸せいっぱいの顔して頬張るわたしを、杉本は優しい目をして見ていた。
「...わたしねフルーツサンドが大好物なの。」
「へー。」
「もしかして知ってた?」
「何で俺がお前の好きなもの知ってなくちゃなんねぇんだ。」
うん、そうなんだけどさ。
きっとそうだと思うんだ。
だって優しい杉本のことだから
「ちょっと食べる?」
「...ん。」
「美味しいでしょ――。」
「...甘っ。」