お見合い恋愛
指定のホテルに到着すると、すでに母親たちは揃っていて
唯香さんは化粧室に行っているとのことだった。
「そんなに堅苦しくしなくていいから、気を楽にね」
そう言いながら唯香さんの母親が俺に微笑む。
ああ、笑った顔がそっくりだなぁ、そう思う。
「お待たせしてすみません」
ぼーっと唯香さんの母親を眺めていると、後ろから声がした。
ドクン
その胸の高鳴りは、いったいなんだったんだろう。
振り向くと、唯香さんが照れくさそうに長い髪を耳にかけた。