お見合い恋愛
「・・・本当は、頭ではわかってるんです。このままじゃいけないって・・・」


じゃあ、なぜ、と問いただしてしまいたいけれど

唯香さんはとても悲しそうな顔をしていて、俺はぐっとその言葉を飲み込んだ。


「でも、あの人といるととても安心するんです。・・・幸せなんですよ、これでも」



そう言って微笑んだ唯香さんは、目の前にある噴水のしぶきを眩しそうに見つめる。


「・・・僕なら、あなたをもっと幸せにしてあげられる」


「え」




え?


今、俺、なんて言った?


自分でもパニックになりながら、唯香さんから視線をはずした。





「!!」


その瞬間、見知った顔とばっちり目が合う。
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