三日月の下、君に恋した
美也子に伝えると「ええーめんどくさいなあー」と顔をしかめていたけれど、当日になると友野太一に「今から行くからね」と内線を入れたりして、思いのほかはりきっている。
菜生は気が重かった。
ただ、今日の会議は他部署からの出席者が多く、かなりの人数が予想される。なるべく目立たないようにして、航と目を合わさないようにしようと思った。
そんなことを考えているのに、会議室で彼の姿を見たとたんうれしくなってしまうのには、われながらおかしくなった。彼は、広報課の女性社員と親しげに話していた。
「あっ、あの人ですよ。早瀬さんの新しい彼女」
美也子がそう耳打ちしてきたので、菜生はどきっとした。
彼に関する噂の大部分は信じるに値しないものだと、頭ではわかっているつもりだった。でも、目の前で彼がきれいな女性と一緒にいるのを見ると、何だか本当のことのように思えてくる。
二人は、誰が見てもお似合いだったのだ。
今まで噂にのぼった女性たちは、みんな、社内の誰もが認める美人ばかりだった。ただ顔がきれいとかスタイルがいいとか、見た目の美しさだけじゃなかった。
菜生は気が重かった。
ただ、今日の会議は他部署からの出席者が多く、かなりの人数が予想される。なるべく目立たないようにして、航と目を合わさないようにしようと思った。
そんなことを考えているのに、会議室で彼の姿を見たとたんうれしくなってしまうのには、われながらおかしくなった。彼は、広報課の女性社員と親しげに話していた。
「あっ、あの人ですよ。早瀬さんの新しい彼女」
美也子がそう耳打ちしてきたので、菜生はどきっとした。
彼に関する噂の大部分は信じるに値しないものだと、頭ではわかっているつもりだった。でも、目の前で彼がきれいな女性と一緒にいるのを見ると、何だか本当のことのように思えてくる。
二人は、誰が見てもお似合いだったのだ。
今まで噂にのぼった女性たちは、みんな、社内の誰もが認める美人ばかりだった。ただ顔がきれいとかスタイルがいいとか、見た目の美しさだけじゃなかった。