三日月の下、君に恋した
「うん。合コンの日取り決まったら、すぐ連絡してよね」

 美也子が手を振りながら言う。


「また合コン?」

 太一がいなくなると、菜生はため息混じりに言った。


「いいじゃないですかあ。たまには菜生さんも来れば?」

「……遠慮しとく」

「そうやって家にばっか籠もってたら、干涸びますよ」

「籠もってない。ときどきは外に出てるもん」

「近所の公園でひなたぼっこしてるだけでしょ。おばあちゃんみたい」

「いいでしょ、別に」

「菜生さん、彼氏欲しくないんですか?」


 美也子の鋭いひとことに、菜生は一瞬言葉に詰まった。

「欲しいでしょ? 行きましょうよ、合コン。楽しいですよお」


「……私、好きな人いるから」
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