フラワーデイズ
「家にテレビ置いてないんです」
「あーやっぱり。ていうか、それでよく生きていけるね。もしかして原始人?」

からかうように覗き込まれて思わずそれに後ずさりしながら私は答える。

「壊れてから買ってないだけです。無くても生活できますし」

 新聞やラジオがあればニュースには困らないし、必要があればネットでみればいい。といっても必要だと思うほどニュース検索に熱心なわけじゃないから、あの日以来、困ると思ったことはなかった。

「そうなんだ。じゃあ僕が花束のお礼に買ってあげようか。液晶のなら10万しないで買えるよ」


「結構です!」
「つまんないなぁ。怪しい人間じゃないのに」

 十分怪しいわ、と思いながら私は手早く使った花材の値段をレジに打ち込んでいく。
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