キズナ~私たちを繋ぐもの~

私と『彼』


 誰も居ない家の中は静かで寒々しい。

まずはリビングの暖房、次にテレビ。
次々とスイッチをいれていく。

静かなのは好きじゃない。
妙に孤独感を感じて、寂しくなってしまうから。


22時のニュースを告げる音を聞きながらリビングを後にし、メイクを落としてシャワーを浴びる。
一通り流すと少しだけさっぱりした。

パジャマを着こんで、再びリビングに戻る。

付きっぱなしのテレビでは、難しい顔をしたアナウンサーがコメンテーターと話している。

とはいっても視線がそちらを向いているだけで、内容なんか全然頭に入ってきてない。

心の中は自分への問いかけで溢れていた。

< 10 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop