キズナ~私たちを繋ぐもの~


「……お兄ちゃん、酔ってたから」

「うん」

「言っちゃったの」

「……うん」

「そ、そしたら、捨てられないって」

「え?」

「妹の私を捨てられないって」


言葉にすると再び涙がこみ上げてくる。

それを見せるのはずるい気がして、私は無理矢理に笑顔を作った。


「……私も振られちゃった」

「おそろいってことか」


司が、軽く笑って私の頭をそっと抱き寄せた。

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