キズナ~私たちを繋ぐもの~
走り出した際に一瞬家の方を向くと、居間の窓に兄の姿が見えた。
表情までは確認できなかったけれど、確かに私の方を見てた。
その瞬間、胸に重たいものが落ちたような気がした。
本当に、良かったんだろうか。
こんな風に、兄と離れて。
もっとちゃんと話しあわなきゃいけなかったんじゃないだろうか。
「綾乃、昼飯どこかで食べて行こうか」
「え? あ。うん」
司の声に現実に引き戻されて私は自分の膝の上に視線を戻した。
その時降ってわいた感情は、諦めにも似ていた。
……もう、どうにもならない。
何もかも、動きだしてしまったのだから。