キズナ~私たちを繋ぐもの~

 バスルームを出ると、司がテレビを見ているのが目に入った。

化粧っ気の無い私を見て、彼は嬉しそうな顔で笑う。


「さっぱりした?」

「うん」

「これ面白いぜ。一緒に見よう?」


テレビ番組はバラエティ。
壁に背中を預けてボーっと眺めていると、なぜだか笑い声ばかりが耳につく。

何が楽しくて、こんな風に笑ってるんだろう。

内容が頭に入ってこない。

頭の中をめぐるのは疑問ばかり。

どうして。

どうして。

どうして――――


「綾乃」


呼ばれてハッと顔をあげると、とても近くに司がいた。

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