キズナ~私たちを繋ぐもの~
残したのは、机の上に置いた手紙だけ。
『お兄ちゃん、今までありがとう。
色々考えて、一人でやり直してみる事にしました。
司とも、お別れをしました。
お母さんとお父さんのお墓、お兄ちゃんに管理を任せてもいいでしょうか。
甘えるばかりの妹で、ごめんなさい。
だけど、お兄ちゃんの妹でいられて、とても、とても幸せでした。
私の事は、心配しないでください。
私はもう、ちゃんと独り立ちできるほど、大人になれたと思います。
だから、探さないでください。
あなたが誰よりも、
幸せになってくれますように。
大好きなお兄ちゃんへ
綾乃』
傍に置いたピアスが、きっと私の決意を告げてくれるだろう。
朝日に反射して、青い光を放ちながら。