キズナ~私たちを繋ぐもの~
「俺の中の親心をなんとかしてやりたいとか思わない?」
「あ」
確かに、達雄には私に対して親心もあるだろう。
私が8歳の時からずっと親代わりでいてくれたんだから。
「娘を嫁に出す気分と、可愛い嫁さんをもらう気分を同時に味わえるなんてこと中々ない」
楽しそうにそう言われると、もう頷くしかない。
「わかった。でも空いてる日なんかすぐないでしょう?」
「日にこだわらなければ空いてるよ。どこか平日で休みを取るから。今度式場に行って聞いてみよう」
「うん」
ウエディングドレスを着れるなんて、考えてもみなかった。
「何色のドレス着よう」
「白がいい」
私の小さな呟きに、彼は迷いもなくそう言う。