キズナ~私たちを繋ぐもの~

まずはキッチンを見る。
そろそろ夕食の準備をする時間なのだが、ここに立った形跡が見当たらない。

居間にもいない。
静かながらんどうの部屋は何だか物悲しくて、じっと見てられなかった。


「綾乃ー、いないのか?」


階段を上り、2階の綾乃の部屋の近くで耳を澄ませる。

すると、ようやく物音がした。
部屋にいるんだな。

ホッとしたのもつかの間、今度は俺が帰って来たのに気付かないほど何かに夢中になっているのかと気になり始める。

でも、年頃の妹の部屋をのぞく訳にもいかない。


「……」


考えた結果、素直にドアをノックすることにした。


「え。はぁい。 お兄ちゃん?」

「ああ。なんかあったのか?」

「ううん。違う。今日早くない?」

「ああ、ちょっとな」


返事はすぐに来たものの、中々姿を見せてくれない。
俺は少しイライラしてきた。
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