キズナ~私たちを繋ぐもの~

綾乃と二人で過ごす休日。

それは彼女と過ごす時よりも穏やかで、柔らかい温かさに満ちていて。


『西崎達雄はシスコン』


そんな噂は、あながち間違いじゃない。

今はまだ、誰よりも妹が大切だ。

俺の、大切な家族。

半年後の成人式を無事済ませるまでは、まだ綾乃は子供なんだから。

どうか俺の傍で笑っていて。


「よし、じゃあ行くぞ」


上昇する気分に任せて、俺は車を走らせた。


今日の俺の上機嫌は、翌日綾乃がいそいそと出かけて行った時にあっさりと崩されるのだけれど。

それはまた、別のお話。




【fin.】




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