キズナ~私たちを繋ぐもの~
5分もそうしていたら、すっかり体は冷えてしまった。
居間に戻ると、兄のいつもの心配そうな瞳とぶつかる。
「遅くなって、悪かったな」
開口一番に兄が言った。
私は首を振って、先ほどまで司が座っていた場所に座る。
兄と向かい合わせになって、もう一度冷めたお茶をすすった。
「なあ、綾乃。どうするんだ?」
「何が?」
「司くんの事」
「それは……」
今はしたくない話だ。
けれども、兄の方にははぐらかすつもりはないらしい。
兄は溜息をつくと、私の事をまっすぐに見た。
少し目を細めて、愛情の感じられる眼差しを投げかけた後、ゆっくりと視線をそらして指先でテーブルをつついた。