龍神
「お願いだから、言わないで…」
震えるあたしの肩を誰かが優しく抱き締めた
その人はあたしに「大丈夫だよ~」って言いながら頭を撫でてくれて
こんな喋り方をすり人なんて一人しかいない
「っ幸、なんで」
「貸してみ~」
「でもっ」
「ほらいいからいいから~。もしもーし」
幸があたしの手から携帯を取り上げると、自分の耳に当てた
すっと、口に挟んだ煙草を携帯灰皿に押し付ける
あたしは強く強く唇を噛み締めた
『――!?』
「俺は幸だよ~。おかーさんさぁ、俺らから真南を奪わないでね?」
『――!!』
「返して~?それはおかーさんが言える言葉じゃないでしょー。ダメだよ~、嘘ついたらー」
ケラケラと幸は笑った
でもその瞳からは冷たさしか感じることが出来ない
目が笑ってない
瞳の奥には鋭い冷たさが宿っていて
『――』
「大切な仲間なんだよー。俺らは簡単にはい、サヨナラなんて言って終われる仲じゃねぇんだよ~。深い何かで繋がってんだ」
『――!!』
「おかーさんよりは深いと思うけどなぁ。」
温かいその手が、あたしに安心をくれる
大丈夫だと、あたしに伝えてくれる
あたしは一人じゃないと
過去に囚われなくていいと
…堕ちるときは一緒だと
『あなたに家族はいるの!?』
その言葉に幸の手が一瞬止まった
でもすぐにまた動き出して
…お母さんはやっぱり代わってない
あたしを、あたしの大事な人をすぐに傷つける