龍神
「てか、ノックしてドアぶっ壊すとか。礼儀正しいんだかわかんねえよな」
たしかに
いや、むしろ悪い気がするのはきっと気のせいだ
ぶっ潰したら、入れない気がするのもきっと気のせいだ
「………じゃあ、あたしから」
そう言って伸ばした手は、誰かの手によって掴まれた。
その手は、晃の手で…
あたしの手を掴んだまま、焦ったような顔で
「まさかやる、とは言わねえよな…?」
とか当たり前のことを聞いてきた
「いや、…やるに決まってる」
「…」
やると答えたあたしに晃は、“絶対にやらせねぇよ”オーラを出してきた。