琥珀色の誘惑 ―王国編―
(バ、バレた? どうしよう)


「まさか……昨夜の傷かっ!?」

「えっと、えっと、あの、あのね」

「なんという事だ!」

「待って、ちょっと待って、怒らないで……あの」


舞が、ヤイーシュを機外に放り出したりしないで、と言おうとした時、 


「私がやったのだな? こんなに強く掴んでいたとは」

「は、はい?」


舞は訳がわからない。


その後、ミシュアル王子は舞の体をロングボレロで覆うと、ターヒルらを呼んだ。

すぐに冷たいタオルとか湿布を用意させる。もし傷痕が残ったら……国に戻り次第医者に診せよう、とミシュアル王子は大慌てだ。

舞の頭には、砂漠の国の男性は乱暴なイメージがあった。でもそれは大きな勘違いだと知る。


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