琥珀色の誘惑 ―王国編―

(11)愛と友情と

(ヤ、ヤイーシュのばかぁ。口さがない年寄りじゃなくて、アルにそんなもん見せてどうするのよ~~~)


舞は心の中で叫んでいた。



ほんの十数分前、ヤイーシュは器用にも舞の服だけを切り裂いた。そして、すぐに毛布で舞の身体を隠し、昨日身の周りの世話をしてくれた同じ女性を呼びつけたのだ。

すると、彼女は予め聞いていたように、別の服を持って現れた。


――ヤイーシュは何がやりたいのだろう? 


舞がそんな疑問を口に出す寸前……彼は舞と世話係の女性の前で、とんでもないことをやったのである。


ヤイーシュは懐から先ほどのナイフを取り出し、自らの手の平に切れ目を入れた。

そのまま、ギュッと握り締め……鮮血をニ~三滴、白いシーツの上に垂らしたのだ。


「ちょっと、ヤイーシュ! さっきから何してるのよっ! アルが来てくれたんなら、わたしはアルの所に戻るから……」

「――同じ言葉を殿下から聞きたい。そう言われましたね? 私のモノとなった舞様をどうするか……試してみたいとは思いませんか?」


そ、それは面白いかも……と舞自身、一瞬思ったことは否定しない。


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