琥珀色の誘惑 ―王国編―
「一旦口にした誓いは、たとえ殺されても取り消すことなどせぬ! ――舞、迎えに来たぞ。私の許に戻れ」


舞は、この人は国王になる人なのだ、と改めて思った。

ミシュアル王子を取り巻く空気がまるで違う。昇る朝日すら、彼の前を横切らないよう、遠慮するかのようだ。

様々な理由はあるのだろうが、ライラがミシュアル王子に拘る気持ちもよくわかった。この人に囚われてしまったら、他の誰も目に入らない。舞はそんなことを考えつつ、ボーッとミシュアル王子に見惚れていた。


だがそれに、ミシュアル王子本人は苛立ったらしい。

足音も立てず砂の上を歩き、舞に近づくなり横抱きにした。東京で彼女を連れ去った時と同じ、お姫様抱っこだ。


「アル……肩の傷が。自分で歩いて行くから、下ろして」


舞が心配してジタバタすると、


「動くな。この程度、騒ぐ傷ではない。舞……私の首に手を回すのだ」


久しぶりにミシュアル王子の声を耳の傍で聞いた。


(だ、だめ……コレを聞くと言いなりになっちゃう)


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