琥珀色の誘惑 ―王国編―
舞はラシード王子の言ったことを思い出しながら、シャムスに尋ねた。
「結婚式って、花嫁の父親が立ち会う決まりとかあるの?」
「そうですね。我が国では男の親族……ほとんどの場合は父親が立ち会い、その結婚を祝福することで正式な夫婦と認められます」
そんなシャムスの言葉に舞は首を捻った。
今から一週間後、王宮で祝宴が行われるという。それには舞の家族も招かれている。しかし、この砂漠まで父が来るとは聞いていない。
舞がそのことを口にすると、「外国人のアーイシャ様のお立場をお考えになり、代理を立てられたのでは?」とシャムスは答える。
その直後、一族の女性がテントを訪れ……挨拶がしたいというライラの意向を伝えた。
「お断り下さいませ、アーイシャ様」
「うーん。でも、ライラが悪いわけじゃないし、さ」
シャムスは不満そうだ。舞も積極的に会いたい訳ではない。だが、こうなってしまった大きな責任は舞にある。
あんなことさえ言わなければ……一瞬そんな思いが頭によぎる。
(こ、後悔なんてするもんですかっ!)
「結婚式って、花嫁の父親が立ち会う決まりとかあるの?」
「そうですね。我が国では男の親族……ほとんどの場合は父親が立ち会い、その結婚を祝福することで正式な夫婦と認められます」
そんなシャムスの言葉に舞は首を捻った。
今から一週間後、王宮で祝宴が行われるという。それには舞の家族も招かれている。しかし、この砂漠まで父が来るとは聞いていない。
舞がそのことを口にすると、「外国人のアーイシャ様のお立場をお考えになり、代理を立てられたのでは?」とシャムスは答える。
その直後、一族の女性がテントを訪れ……挨拶がしたいというライラの意向を伝えた。
「お断り下さいませ、アーイシャ様」
「うーん。でも、ライラが悪いわけじゃないし、さ」
シャムスは不満そうだ。舞も積極的に会いたい訳ではない。だが、こうなってしまった大きな責任は舞にある。
あんなことさえ言わなければ……一瞬そんな思いが頭によぎる。
(こ、後悔なんてするもんですかっ!)