琥珀色の誘惑 ―王国編―
ミシュアル王子に真剣な眼差しで見つめられると弱い。


「誰も、馬鹿にしてたりしないよね?」

「尊敬を持ってお前を見ている」

「いやらしいこと……想像してたりも、しないよね?」

「そのような者がいれば、私が首を斬る!」


本気で言ってそうなのが怖い。

舞は小さく頷くと、ミシュアル王子の胸に顔を埋めた。すると、彼はホッとしたように舞の耳元で甘く囁いたのだ。


「体が辛くないようなら、オアシスに行ってみないか?」


オアシスの言葉に舞の心はパッと明るくなり……。


「行っていいの? ひょっとして泳げる?」

「もちろんだ」

「行く!」
 

(シーツを見ないで済む!)


そう考え、二つ返事の舞だった。


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