琥珀色の誘惑 ―王国編―

(8)素直に愛して

「舞、止めるなら今のうちだ」


キスは瞬く間に深く濃厚になる。

燃えるような吐息と共に「今のうち」と言われても、どう答えていいのか判らない。


「昨夜みたいなのはイヤ。まだ、痛いかも知れないし……その時は途中で止めてくれる?」

「……承知した」


ミシュアル王子は少しばかり自信がなかったのか、一呼吸おいてから返事をした。


だが、一度口にした約束は必ず守る人だ。舞は安心して彼の腕の中に身を預ける。

そんな彼女の仕草に、ミシュアル王子もキス以上に進む決意をしたらしい。彼の舌が舞の唇をこじ開け、滑り込んで来た。

バスローブの紐はすでに床に落ち、素肌に男性の大きな指が触れた。火照った肌はすぐさま王子の愛撫に反応を示し、じんわりとした快感が下腹部を覆い始める。


「舞、何も身につけていないのか!?」


ミシュアル王子は驚きの表情を浮かべた。


「こうなることを期待していたのだな? 正直に言え」


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