弟矢 ―四神剣伝説―
先ほどからしきりに新蔵を挑発している蚩尤軍の敵将に向き直り、乙矢は尋ねた。
「なあ、あんたって、宿場で俺を監視してたよな? こいつらが来た直後、襲って来た連中の一人だろ?」
この男、いや、ここにいる全員、西国に配備された蚩尤軍精鋭部隊と呼ばれる連中だった。
彼らは一応、武藤の配下となる。だが今は、仮面の男の指示で狩野と共に乙矢を襲う計画だった。それが、所用を思い出した、と狩野が何処かへ消えてしまったのだ。
「だからなんだ? また、命乞いか?」
「あの蛇野郎に、新蔵が俺を討ちに行くなんてなんでわかるんだ? それに、今になって腰抜けになったわけじゃねえぜ。この一年間、いつだって殺せたはずだ」
乙矢の問いに男はわずかに眉を顰めた。
「なあ、あんたって、宿場で俺を監視してたよな? こいつらが来た直後、襲って来た連中の一人だろ?」
この男、いや、ここにいる全員、西国に配備された蚩尤軍精鋭部隊と呼ばれる連中だった。
彼らは一応、武藤の配下となる。だが今は、仮面の男の指示で狩野と共に乙矢を襲う計画だった。それが、所用を思い出した、と狩野が何処かへ消えてしまったのだ。
「だからなんだ? また、命乞いか?」
「あの蛇野郎に、新蔵が俺を討ちに行くなんてなんでわかるんだ? それに、今になって腰抜けになったわけじゃねえぜ。この一年間、いつだって殺せたはずだ」
乙矢の問いに男はわずかに眉を顰めた。