アイドルな王子様
 それにしても。

 改めて見ると、ほんとに凄いお料理の数々。

 ええぇ こんなに頼んじゃって大丈夫??


「ねえ、聖夜さん…これ全部食べられるの?」

「…さあ。参ったね」

「参ったね、って」

「この店、知り合いがやってるんだ。だから勝手にこうやって、これでもか!って出してくるんだよ」

「はあ」

「でも、残すのも悪いよなぁ。今日は月杏とふたりだけだし、食べきれん」

 うーんと頬杖ついて考える姿も様になっちゃってる。

「あいつは昔から俺を困らせんのが趣味だからな…仕方ない、民宿のお土産にでもするか」

「あっそうですね。こんなに残すのは流石にねえ~…」


 そんなことを話してるうちに、デザートのお皿をワゴン載せて、30代くらいのがっしりとした体格の男性がやってきた。


「よお聖夜。ひっさしぶり」

「おっ カンジぃ。なかなか繁盛してんじゃん」

「当たり前だ」


 そのカンジと呼ばれた男性は胸を張って答えつつ、私に目線を合わせてニヤリと笑った。


「こりゃまたえらく可愛い彼女だねえ。厨房で騒ぎになるわけだ」





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