繋がれた糸 (短編)
そして大学を卒業する頃
亮輔が結婚したと聞いた。
それを聞いて涙が枯れるほど泣いた。
亮輔を忘れられないあたしには
戻れない意地だけが残ってた。
だから、前に進むために一生懸命だったあたしにもいい人ができて
仕返しのように結婚への道を急いだ。
そして、あたしの結婚からすぐに開かれた同窓会。
亮輔と目が合った瞬間に
今まであたしが歩いてきた道が
見えなくなった。
『やっぱオレ、お前に会うとだめだ』
亮輔にそう言われた瞬間に
あたしはもう、亮輔だけしか見えなくなった。