花咲く原石
行かなくちゃいけないのに。

「…今度、俺にも作ってくれないか?」

「えっ?」

低いリトの声が優しく響いてシイラはいつの間にか俯いていた顔を上げた。

「最高の炉で、シイラの最高の技術で俺の為にさ。何を作るかはシイラに任せるよ。ドワーフの飾りなんて皆に自慢できそうだ。」

そう子供のように笑って宴を楽しむ仲間の方を親指で指した。

笑顔に嘘が混ざっている。

きっとリトは見せびらかすような自慢などしないだろう。

これはリトの優しさだ。

ここで終わりじゃない、次へと繋ぐための約束にシイラは喜びを隠せなかった。

「うん。任せて?最高の物を造ってみせるから!」

自信満々に笑顔で応えてみせる。

「頼もしいな!」

シイラに負けないくらいの笑顔を見せてくれるリトに胸が高なる。

シイラが動きやすいように、次へ進めるように。

どこまでも優しさを見せてくれるリトに促されてシイラは立ち上がった。



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