花咲く原石
「この辺りは質の良い鉱山ですので…。」

その答えにオーハルは驚きから自然と口が開いた。

確かにドワーフは鉱山に住み、宝石の原石となる鉱物の採掘をするとも聞いている。

それをここで、1人でやっているなんて。

聞いてはいた。

聞いてはいたけど、実際に現物を目の当たりにし、職人を目の前にすると信じられない気持ちが強くなる。

凄すぎてただ圧倒されるばかりなのだ。

でもそれと同時に納得も出来た。

成程そういうことなのか。

こんな場所に彼らがいるのも、全てはこの希に見る装飾品の為なのだ。

芸術、まさにその言葉が当てはまるほどの代物にオーハルも息を飲む。

前任者がやらかしたポカを下らないと鼻をならしたものの、いざこの品を見ると彼の気持ちも分からなくもなかった。

この作品の価値の高さも。

「凄い、ですね。」

素直な気持ちが口から零れる。

ここまでの物だったなんて、軽く見ていた自分を心の中で恥じた。



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