花咲く原石
確かに使い込まれたような雰囲気がある部屋だが、壁も天井もロフトもある立派なものだった。

きっと集会か何かに使われているのだろう、一切の家具はなく広々と使えるようになっている。

「リト。」

「ご苦労さん。」

どこから入ったのかリトの傍にはキアヌがいた。

部屋の真ん中辺りにシイラたちの荷物がそっと静かに届けられる。

「あっ!」

それを見た瞬間、シイラもオーハルもすぐに駆け寄った。

「荷物は揃ったか?中身もちゃんと確認しとけよ?」

「うん、ありがとう。」

疑う訳ではないが、リトの気持ちを汲む形でシイラは荷物の中身を確認した。

大丈夫だ、全部揃っている。

ホッとして横を見るとオーハルも荷物の確認を終えたようで無言で頷いていた。

「あったか?」

「うん、大丈夫。」

シイラの言葉を受けてリトは笑った。

立ち上がろうとするシイラをそのまま座るように促し、リトもその場にあぐらをかいて座る。



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