花咲く原石
突然の振りにシイラは戸惑いながらも答える。

急に言われても困るかと、リトは笑った。

「俺は会えて嬉しいよ。ドワーフは初めて見た。」

リトの笑顔がシイラを和ませる。

話し方はもちろん、そこにいるだけで人を惹きつける。

服装とは違いリトはとても上品な雰囲気を持った人だとシイラは思った。

しかしオーハルにはそれも怪しく見えたようだ。

途切れる事の無いオーハルからの刺さる視線に気付き、歯切れ悪くリトは切り出す。

「オーハル殿、そう敵意を剥き出しにされては…うちの者の気が休まらない。出来ればその殺気を消してもらいたいのだが…どうだろうか？」

リトの言葉に促されてよくよく周りを見てみると、いつの間にか何人かが見張るように部屋の中に待機していた。

全員が武器を装備して立っている。

そしてリトの傍らにも剣がちゃんと準備されていた。

笑ってはいるが目は鋭く、真剣に向かい合おうとする心の表れにも見える。

オーハルは視線だけで周りを伺った。



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