花咲く原石
オーハルの気持ちはリトに届き、受け取りの合図として微笑む。

「いや、こちらこそ。ご理解頂き感謝する。」

リトは周りに待機していた仲間に目で合図を送り、やがて部屋に漂っていた緊張感は消えていった。

改めてシイラ、オーハルと目を合わせて笑ってみせる。

一見は山賊のような風貌だが野性的ではない。

彼は一体何者だろうか。

シイラは自分の中に生まれた疑問符を口にしてみた。

「リトはここで何をしてるの?」

さらりと出てきた質問に少し考えながらリトは口に出した。

「山賊…とは少し違うが、まぁこの近辺の掃除屋みたいなものかな。薬草も食物も豊富だ、住む分には不自由はしない。」

リトの言葉に二人共が納得の声や反応を示した。

確かに緑が鮮やかで食物もすぐ見つけられそうな印象があった。

実際、オーハルも取りに行こうとしたくらいだ。

「そちらは旅の途中ですか?」

リトは敢えて、話を振る時はオーハルに投げていた。



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