花咲く原石
そうする事がこの2人にとって、むしろオーハルにとって一番いい形なのだと確信したからだ。

しかしリトの配慮をよそに答えるのはシイラだったが。

「東地方に行く途中なんだ。」

「東?」

シイラが答えた事にオーハルは顔を歪めた。

もちろん、リトはそれに気付いていた。

「まぁ旅をするのは色々理由があるだろうが、この森は深い。気を付けないと最近変な奴も多いから巻き込まれるぞ。」

話の途中で3人にお茶が出された。

リトは誰よりも先にそれを口にする。

それは、この飲み物が安全であると態度で示した事になるが、それに気付いたのもオーハルだけだった。

何にも気にしていないシイラも頂きますと呟いて口にする。

「どうだ?」

「うん、美味しい。」

最高のブレンド茶だとリトは満足そうに笑った。

茶葉に凝っている仲間がいるらしく、常に色んな味を楽しめるようになっていると続けた。

「飲んだことない味だけど、美味しくてクセになりそうだね。」



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