嘘つきな君からのキス
公言してしまった手前、待たない事が最良の選択なのに、私は未だに悩んでいた。
待たない場合、相手に失礼じゃないか。と。
いや、でもそれを重点に置いた場合嘘をついたことになってしまう。そんな葛藤。
初期よりも絡まったことを朱に相談しずらいが為にそうなっていた。
放課後まで後一時間のそんな時の事。
「逢坂、熱あるから保健室行こっか」
「はい?」
言動が理解しがたい現象に出くわした。
彼は至って平常。私も考え過ぎてるのに珍しく平常。首を傾げざるを得ない。
「よく、意味が……」
「ほら行くよ」
「わわっ!?」
制服の上から腕を捕まれ、無理矢理立たされる。
何がどうなっているのか理解できていない私は困惑を表すばかりで、気がつけば酷く冷たい手に引かれるがまま、発言通りに保健室にやってきていた。