嘘つきな君からのキス


表情を読み取る間もなく、どんどん廊下を走り抜けていく。

いつもよりも早く風景が流れる。

廊下にいる人達は何事かと此方を見てくる。偶々居合わせた先生は「廊下を走るなーー!」なんて怒鳴りを上げてくる。それだけ。

特別足が速いわけでもない私と相当足が速い三神くん。加えて、あまり体育などの運動を私は出来ない。だから、


「みかっ……まっ、う、あ!?」


引っ張られている為、頑張って足を動かしていたものの当然ながら足も体力もついていかなかった。

そこまでキツく手が握られていたわけでは無かったので、咄嗟に振り払うような真似をして、私一人、転んだ。


「……あれ?逢坂?」


鈍い衝撃と三神君の間の抜けたような声が聞こえた。


< 125 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop