嘘つきな君からのキス



言えるわけがないから、視線を送る。視線だけで、伝わるわけがないのはわかっていた。


「逢坂?」


言えないこと、全部伝わればこんな思いしなくてもいいのに。なんて、甘いのだろうか。

だけど、伝わってしまえば最初からこんな関係にはなっていなかった。

そう思うと今以上に悲しい、悔しい。と思う私はとっくに……


「言ってくれなきゃ分からない。もう一回聞くけど、だって何?」

「だって、三神くんが好きなんだもん」

「……」

「……」

「俺の事、好きなの?」

「……は?え!?今、私……!?」


問いかけられてから気づく。

今私何言った!?


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