嘘つきな君からのキス
――
「逢坂」
「……」
「逢坂、こっち見てよ」
「……やだ」
うつ向いたまま、動けない私。
熱で怠い体を無理矢理起こしたまではいいけれど、それ以上はさすがに動けなくて。動きたくなくて。
でも、恥ずかしくて、三神くんに背を向けていた。
ツンツンと、制服を引っ張られても無視。
そうしていると
「……俺の事嫌い?」
寂しそうに聞いてくる三神くん。
これでは先の繰り返しだ。
でも、なんだか素直に否定も出来ない私。だってどうしたらいいのか分からない。
そんな時に、唐突に目の前のカーテンが開かれた。