嘘つきな君からのキス


突然の暗さに驚いて、一瞬口にするのが遅れてしまう。

プラスして首筋に冷たさが迫ってさらに遅れた。


「っ」


何、これ。変な感じがする。

目を塞がれてるからか、いつ何処に来るか分からないものに過剰に反応して、体を跳ねさせてしまう。

ゾワゾワ。ぞわぞわ。

制服の襟が若干動くと共に冷たいそれが鎖骨に到達した時。


「っぁ!ま、負け!私の負けでいいから!」


漸く負け宣言を口にする事が出来たのだった。


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