嘘つきな君からのキス
いつしか額に触れていた手は頬に移動する。
「っぁ……」
それにピクッと体が反応し、熱が競り上がってくる感覚が襲う。
見つめ合う目はいつしか距離が縮まり始める。
「っ……」
普通の距離以上に近くなる距離にいくら経験のない私でも予感くらいはしていた。
このままいけば……。と。でも、不思議と嫌な感覚は無かった。理由なんてそこにはない。
ただ、目を閉じた。私にはそれで十分だ。
私は……。