嘘つきな君からのキス


あの後尾行はあっさり打ち切られ、放課後になると今度は無理矢理引っ張られ、今三神くんの隣を歩いている。

私の精神は昼休みに置き去りにされているようで、まだまだ気持ちが入らない。


「玲雨、行きたいとこある?」

「え?特には……」


振られても気の効いた返しすら出来ない。


「じゃあ、三神くんは?」

「右に同じ」


三神くんも三神くんで無理矢理引っ張られてきた為かそんな返し。

私達二人の意見が出なかった為か鳴瀬くんと相談しはじめる朱。それを見て溜息、と言うよりは諦め。


もうどうにでもなれ。だよ。


「じゃあ、映画館に行こっか」


数分を要して告げられた結論はそれだった。二人の事だからもっとアクティブな所に行きそうな気もしていたけど気のせいみたいだ。


「れーちゃんも、ゆずるんもいーい?」

「う、うん」

「いいよ」


賛同も得られたと言うことで、学校近くにある映画館へと向かい始めた。









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