嘘つきな君からのキス
朱としては、ホラーだと言って譲らない二人に合わせても大丈夫みたいだけど。私は怖いのが苦手で……。にしても、三神くんってホラー見るんだ。意外。
「んー。仕方ない。友達同士別れましょっ」
妥当とも言える決断。
でも、見たい見たいと思っていたから映画館に来れて良かったかも。
皆で遊ぶという概念が崩れていたが、私は既に映画に意識が向いていた。けれど。
「逢坂ってホラー駄目な人?」
「う、うん」
「そ。じゃあ今度は二人で見ることに決定」
「何で!?」
思わずいつも以上の反応スピードで聞き返してしまった。