嘘つきな君からのキス
無理だって言った筈が、決定事項にされるなんてあんまりだ。考えただけで背筋が凍ってしまう。
三神くんは平然としながらこんな事を言い出した。
「ホラー苦手な人と見ると結構面白いの知ってる?」
「し、知らないよ……」
もとより、私がホラー苦手な人なのだから知る術もない。
「そういう人って普通より過剰な反応するから見てて楽しい」
「わ、私は楽しくないじゃない……」
「うん」
うん。って……。
こうして、よくわからないホラー鑑賞の約束……もとい決定事項が為されたのだった。