天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅦ
「失礼ぴょん!」

五所川原の両手をわちゃわちゃ動かして抗議する花音。

「今は花音ちゃんじゃなく僕が話してるぴょん!だから僕を無視して花音ちゃんに話しかけないで欲しいぴょん!」

「いや…だって…腹話術でしょ?」

「腹話術とは失敬な!食らえ怒りの五所川原イヤー!」

ぬいぐるみの耳を持って、ペシペシと七星の頭を叩く花音。

痛くない、寧ろイラッとする。

なので、つい。

「!?」

七星は花音から五所川原を取り上げてしまう。

途端に。

「あっ、あぁぁあぁあ…」

顔を赤らめ、涙目になって、眉尻を下げてしまう花音。

「ひ、酷いよう七星ちゃん、返してっ、五所川原君返してよう…」

両手を上げてぬいぐるみを取り返そうとするが、何せ花音はチビッ子。

七星が五所川原を持ち上げてしまうと手が届かず、半べそでピョンピョン飛び跳ねるしかない。

「返してっ、いぢわるしないで五所川原君返してぇっ、ひぃいいんっ」

何つーか、萌える。

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